メジャーデビューとは?デビューの条件やデメリットの解消法

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音楽活動している方の中には、メジャーデビューしたいなぁ~と漠然と考えている方もいるかもしれません。

でもメジャーデビューっていったい何?と疑問に思うこともあるのでは。

そこで今回は、メジャーデビューという言葉の定義と、メジャーデビューした際のメリットデメリットを、メジャーデビュー経験のない私が解説していきます。

メジャーデビューとは「日本レコード協会によってISRCが付与された音源を流通させること」

メジャーデビューとは、日本レコード協会によってISRCが付与された音源をメジャー流通させること。
これじゃ何がなんだかわからないと思うので、以下のように要素を分解して説明します。

「日本レコード協会」「ISRC」の2つの要素がわかれば、メジャーデビューの定義がわかりそうですね。
それではひとつずつ見ていきましょう。

日本レコード協会=「音源の使用料を集めて分配している組織」

日本レコード協会は、日本国内の音楽流通を仕切っている組織です。
正式名称は「一般社団法人日本レコード協会」だけど、そんなことは覚えなくても大丈夫。

日本国内のレコード会社(音源を販売する会社)が集まって構成されています。
正会員やら準正会員やら、複数の会員種別があります。

日本レコード協会の主な仕事は、ある楽曲がテレビとかラジオで放送されたときの著作権料とか配信サービスで再生されたときの著作権料とかを集めて、レコード会社に分配することです。
つまり、音楽の使用料を集金して、レコード会社に分配すること。

で、レコード会社が日本レコード協会の正会員になるには、自社が出した作品の売り上げが一定の基準を満たしている必要があります。
結果的に、大規模かつ資金力のあるレコード会社に限定されることもあって、日本レコード会社の正会員は「メジャーレコード会社」と呼ばれます。
2023年2月時点で、日本レコード協会の正会員になっているレコード会社(つまりメジャーレコード会社)は、以下の18社です。

  • 日本コロムビア
  • JVCケンウッド・ビクターエンタテインメント
  • キングレコード
  • テイチクエンタテインメント
  • ユニバーサル ミュージック
  • 日本クラウン
  • 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • ソニー・ミュージックエンタテインメント
  • ポニーキャニオン
  • ワーナーミュージック・ジャパン
  • バップ(※トイズファクトリーの母体)
  • ビーインググループ
  • エイベックス・エンタテインメント
  • フォーライフ ミュージックエンタテイメント
  • ヤマハミュージックコミュニケーションズ
  • ドリーミュージック
  • よしもとミュージックエンタテインメント
  • バンダイナムコアーツ

これらのメジャーレコード会社が運営しているレーベルのことを「メジャーレーベル」と呼びます。
また、メジャーレコード会社以外のレコード会社を「インディーズレコード会社」、そこが運営しているレーベルのことを「インディーズレーベル」と呼びます。
レコード会社とレーベルの関係について、詳しくは以下の記事をご参照ください。

>>レーベルとは?レコード会社や音楽事務所との違いを図解で解説

ISRC=「音源使用料の徴収・分配に使われる管理番号」

ISRCとは、国際標準レコーディングコードの略です。
こんな感じで、アルファベットと数字が並んだ番号になってます。

ISRC JP-AA0-12-34567

なんでわざわざISRCなんてものを振るのかというと、お金をきっちり分配するためです。
ちょっと日本レコード協会のサイトを見てみましょうか。

「ISRCシステムは、今後の音源使用料の徴収分配におけるキーコードです」
「ISRCは、音源の識別コードとして利用されている唯一の国際標準コードで、レコード業界におけるデータベースを繋ぐ1つのキーとして利用されています」

>>ISRCとは|日本レコード協会-ISRC

要するに、どの曲がどのくらい再生されてて、どのくらいの音源使用料が発生しているのか、っていうのを判別するために付けている番号ってことですね。



ここまでで、メジャーデビューという言葉の意味や定義が何となくおわかりいただけたのではないでしょうか。

でも「レコード会社とかレーベルとか、なんとなくイメージが掴みづらい・・・」という方もいらっしゃるでしょう。
そんなあなたに向けて、次の章では「メジャーデビュー」の定義がもっと分かりやすくなるよう、具体的なアーティストを例にして解説しますね。

メジャーデビューの意味を理解するための具体例

メジャーデビューの定義がわかったところで、具体例を見ていきましょう。
この具体例を見ることで「有名なアーティスト=メジャーデビューしたアーティスト」というわけではない、ということがわかりやすくなるはずです。

【パターン1】インディーズレーベルに所属しているがメジャーデビューしたアーティスト

えっ、インディーズレーベルに所属してるのにメジャーデビューすることなんかできるの?と不思議に思われたかもしれません。
まぁかなりレアなケースではあるんですが、可能なんです。
しかも、あなたも絶対に知ってるはずの、あのバンド。
ちょっと見てみましょう。

Mr.Children

ミスチルってインディーズレーベル所属だったのー!と驚くかもしれません。

ミスチルのCDを出している「トイズファクトリー」は、日本レコード協会の正会員ではないので、メジャーレコード会社ではありません。

CDの制作自体はトイズファクトリーがおこなっているんですが、CDの流通に関しては、日本レコード協会の正会員を務めるバップに委託してるんです。
そのため、トイズファクトリーから出すCDにはISRCが付与されます。
よってミスチルは、インディーズレーベルに所属していながら、メジャーデビューしたというわけなんです。

【パターン2】メジャーデビューしていないけど有名なアーティスト

メジャーデビューしていない、つまりISRCの付与されていない音源をリリースしているアーティストを紹介します。

ゴールデンボンバー

紅白歌合戦に出場した史上初のエアバンドとしても有名な彼ら。
「ユークリッド・エージェンシー」という、インディーズのレコード会社からCDを出しています。

エアバンドっていう時点で個性の塊というか、メジャーレコード会社の枠に収まるよりもインディーズである程度自由に活動する方が向いているのかもしれないですね。

MONGOL800

「小さな恋の歌」などの代表曲で知られるパンクバンドです。
「ハイ・ウェーブ」というレコード会社からCDを出しています。

「小さな恋の歌」が収録されたアルバム「MESSAGE」は280万枚以上もの売上を記録しています。
でも「ライブをやれて、作品を作れたら満足」との理由で、メジャーデビューの誘いは断っているそうです。



メジャーデビューの意味はおわかりいただけたでしょうか。

でも、なんでゴールデンボンバーとかMONGOL800はメジャーデビューしていないのか気になりますよね。
ということで、続いては「メジャーデビューするとどんなメリット・デメリットがあるのか」を解説します。

メジャーデビューのメリット

メジャーデビューしたらどんな良いことがあるんでしょうか。
私の思うメジャーデビューのメリットは以下3つ。

【メリット1】宣伝力が高いため、多くの人に知ってもらいやすい
【メリット2】マーケティングをしてもらえるので、音楽活動に専念できる
【メリット3】スタジオ利用やツアー参加の費用を負担してもらえる

それぞれ解説します。

【メリット1】宣伝力が高いため、多くの人に知ってもらいやすい

メジャーデビューすることで、資金力のあるレコード会社にプロモーションを支援してもらえます。
雑誌のインタビュー記事とかCMといったメディア露出が積極的におこなわれます。
また、広告が張り出されたりアニメとタイアップして主題歌を担当したりするなど、プロモーションキャンペーンもおこなわれます。
結果として、より多くの人々に存在を認知してもらえる機会が増えるんです。

また、大規模な音楽フェスやライブイベントなどに参加するチャンスも増えます。
多くの人から知ってもらえるだけでなく、音楽的な刺激を受けて、創作意欲が高まるという効果もありそうです。

これらはすべて、自分たちだけで実施しようとすると多額の費用がかかります。
こうしたプロモーションが可能なのは、メジャーレコード会社のサポートをもらってこそ。

【メリット2】マーケティングをしてもらえるので、音楽活動に専念できる

メジャーデビューすることで、レコード会社がマーケティング施策を実施してくれます。
アーティストとしてのブランド強化や、販売促進をおこなってくれるため、より多くの人から認知され、興味関心をもってもらいやすくなります。

メジャーデビューしていない場合、こうしたマーケティング活動は自分自身でおこなっていく必要があります。
結果として、音楽活動に専念できる時間が圧迫されてしまいます。

良い作品をつくること、良いパフォーマンスをすることに専念できるのは、メジャーデビューすることの大きなメリットです。

【メリット3】スタジオ利用やツアー参加の費用を負担してもらえる

メジャーデビューすると、質の高いスタジオでレコーディングできたり、よい設備に恵まれたライブハウスやコンサートホールでのライブが可能になったりします。
これらにかかる費用は、レコード会社が経費として負担してくれる場合がほとんどです。

お金の心配をせずに音楽のクオリティアップに注力できるのも、メジャーデビューすることの大きなメリットです。

メジャーデビューのデメリット

逆に、メジャーデビューにはデメリットもあります。
私の思う、メジャーデビューのデメリットは以下3つ。

【デメリット1】活動の自由度が下がる
【デメリット2】売上に対する報酬の割合が下がる
【デメリット3】マーケティングスキルが身につきにくい

それぞれ見ていきましょう。

【デメリット1】活動の自由度が下がる

メジャーレコード会社は、関係者の数が多くなるため、人件費をはじめとして多くのお金が必要です。
よって、売上がしっかりと確保できないと、活動を継続できません。
結果として、より売れやすい音楽を作る必要があります。

現在のJ-POP、J-ROCKシーンを見ていて思うのは、日本では演奏以前にメロディー・歌重視のリスナーが大多数なのだということ。
たとえばヒゲダン(Official髭男dism)は、かなりオルタナティブな演奏をしている一方、歌メロはかなりキャッチーで覚えやすいものが多いです。
覚えやすくキャッチーな歌メロを盾にして、どこまで自分たちのつくりたい音楽を追及できるのかに挑戦している印象があります。

実験的な音楽をしたい場合には、キャッチーなメロディをつくれるようにしておくことが重要な気がします。

【デメリット2】売上に対する報酬の割合が下がる

インディーズのレコード会社を通してCDを出した場合、だいたい売上の50%ほどがアーティストに報酬として支払われます(もちろん、レコード会社とアーティストとの契約内容によって、金額は上下します)。
これは、メジャーレコード会社に比べて宣伝やマーケティングに関わる人が少ない分、より多くのお金をアーティストに還元できるからです。
さらに、レコード会社を通さずに自主制作でCDをリリースした場合には、レコーディング費用やCDプレス費用などの必要経費を除いた売上がそのまま収入になります。

メジャーレコード会社は、レコーディング費用やツアー費用などの必要資金を提供してくれれる一方で、売上に対する報酬の割合は10%未満であることがほとんどです。

同じだけの売上をあげても、報酬額が低くなってしまう傾向にある。
これは、メジャーデビューのデメリットだと言えるでしょう。

【デメリット3】マーケティングスキルが身につきにくい

プロのマーケターたちがマーケティング施策を考え、実践してくれるため、自分たちで宣伝・集客といったマーケティングスキルを養いにくくなります。
メジャーデビューしたからといって必ず成功できるわけではありません。
売上があがらなければ契約解除・・・ということも普通にある世界です。

そんなときに自分の身を守るためにも、マーケティングスキルは、早い段階で身につけておくのがオススメです。

デメリットを解消する方法

「メジャーデビューすれば有名になれる」とか「メジャーデビューすれば売れる」と考えるのをやめることです。
自分の音楽に興味をもってもらうにはどうすればいいのか、どうすれば興味をもってもらえる音楽をつくれるのかを、自分なりに考え、たくさんトライしてみましょう。

もう散々言われていることなので耳タコって感じだと思うのですが、現代は、個人が自由に発信活動をできる時代です。
自分自身の工夫で、有名になるチャンスは十分に掴むことができます。
自分の好きな音楽をやるとともに、誰かから求められる音楽をやったり、見せ方・聴かせ方を変えたり。

この記事だって、私自身の意見を述べつつ、あなたの知りたかったことを書いているはずです(そうであることを願います)。
ブログ執筆も、ニーズを探るうえで勉強になるかもしれませんね。

 

それでは引き続き、音楽活動を頑張っていきましょう~。