レーベルってなんだ!?レコード会社や音楽事務所との違いを解説

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「レーベルと契約してシングルデビュー」
「インディーズレーベルからメジャーレーベルに移籍」

このように、芸能ニュース等でよく耳にする「レーベル」という言葉。
いったいどんな役割をもつ組織なのでしょうか。
「レコード会社」や「音楽事務所」とは、何が違うのでしょうか。

今回は、レーベルの意味と役割、レコード会社や音楽事務所との違いをお話します。
また、私自身がインディーズレーベルと契約していた経験を踏まえ、レーベルと契約する際の注意点も解説します。

レーベルに関する正しい知識を持っておくことで、きっと音楽活動を有利に進められるようになるはずです。
それではいきましょう。

レーベルの意味と役割

まずはサクッと解説します。
「レーベル」とは、アーティストと契約し、CDやレコードなどの商品をつくる組織のことです。

これだけだとあっさりしすぎなので、ちょっとウンチクを交えて説明しますね。

レーベルは、英語では「label」と書きます。
そのままローマ字読みすると「ラベル」ですね。

そう、「ラベル」という綴りのとおり、元々は「レコードの中央に貼りつけられたラベル」を意味する言葉だったそうです。

レーベルとは、レコードの盤面に張られたラベルのことです。

レコードの中央に貼ってあるこの「ラベル」には、以下のような情報が書かれています。

  • レコードのタイトル
  • レコードに入っている曲のタイトル
  • アーティスト名

現代でも、レコードで作品を出しているアーティストはちょくちょくいますよね。

たとえば、宇多田ヒカルのレコードを見てみましょう。
このレコードの場合、ラベルには「Bad Mode」(レコードのタイトル)や「UTADA HIKARU」(アーティスト名)などの情報が記載されています。


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この「ラベル」を貼るのは、レコードをつくる人たちです。
そこから転じて、アーティストと契約を結んでレコードをつくる組織のことを「レーベル」と呼ぶようになったんですね。
主流の媒体がレコードからCDやストリーミングに変わってからも、この「レーベル」という呼称は使われ続けています。

レーベルとは「アーティストと契約して音源をつくる組織」だとわかりました。
なんだか、レコード会社や音楽事務所との違いがわからなくなってきますね。
もしかして、3つとも同じ意味の言葉なのでしょうか?

続いて、レーベルとレコード会社と音楽事務所の違いについて見ていきましょう。

レーベルとレコード会社と音楽事務所の違い

「レーベル」と「レコード会社」と「音楽事務所」は、それぞれ別の意味を指す言葉です。
演奏者である「アーティスト」を含めると、これらの関係は以下の図のようになります。

レーベルはレコード会社の中に所属しており、音楽事務所に所属しているアーティストと契約を結んでCDをつくります。

「レコード会社」は、CDなどの商品を発売します。
そのCDをつくるのは、レコード会社の一部門である「レーベル」の仕事。

レーベルは、CDをつくるだけでなく、CDで演奏する「アーティスト」との契約も担当します。
ただし、アーティストは「レーベル」ではなく「音楽事務所」に所属しています。

・・・ちょっとややこしいですよねぇ。
なので、「レーベル」「レコード会社」「音楽事務所」を、それぞれもうちょっとだけ詳しく解説しますね。

レーベル

レコード会社の中にある部署のひとつです。
経理部とか人事部のような感じで、レーベル部があるのだと考えてください。

レーベルの最も重要な仕事は、有望なアーティストの発掘です。
CDを出したときに売れそうなアーティストを見つけ出して声をかけ、契約を結びます。
そういう意味では、レーベルはレコード会社における「アーティストの採用担当」だといえるかもしれませんね。

レコード会社

CDなどの商品を企画・発売・宣伝するのが仕事です。
かつては主流の商品がCDや配信ではなくレコードだったため、現在もその名残で「レコード会社」と呼んでいます。

このレコード会社の中に、部署のひとつとして「レーベル」が入っているというわけです。

なお、レコード会社の中に入っているレーベルの数は、レコード会社の規模や戦略によってさまざまです。
レーベルを1つだけもっているレコード会社もあれば、レーベルを複数もっているレコード会社もあります。

音楽事務所

アーティストを管理(マネジメント)する組織のことです。
アーティストの「マネージャー」がいる組織だと考えるとわかりやすいでしょう。
音楽事務所は、所属アーティストがどのレーベルと契約を結ぶかを管理します。

なお、事務所とレーベルの運営母体が一緒である場合も多いです。
私が契約したレーベルは、そのタイプでした。

事務所とレーベルの運営母体が一緒である場合、レーベルと契約すると同時に、事務所にも所属する形になります。
レーベルや事務所と契約する際の注意点については、記事の後半で解説します。

レコード会社がレーベルを分ける理由

先ほど「レーベルはレコード会社の中の部署のひとつ」と説明しました。
また「レコード会社によっては、複数のレーベルをもっていることがある」ともお伝えしました。

では、レコード会社が複数のレーベルをつくっているのはいったいなぜなのでしょう。
それには、大きく以下3つの理由があります。

  1. 対象にしたいお客さまの層が違うから
  2. 音楽性が似通ったアーティストを集めたいから
  3. ビジネス上の管理がしやすいから

それぞれくわしく解説します。

【理由1】対象にしたいお客さまの層が違うから

レコード会社は、お客さまから人気が出るように戦略を立ててアーティストを売り出します。
その際に重要な視点の1つが「お客さまが好きなジャンルやタイプのアーティストを、お客さまが気に入るような方法でプロモーションすること」です。

たとえば演歌が好きなお客さまに向けてヒップホップのCDを宣伝しても、あまりいい反応は得られないでしょう。
演歌が好きなお客さまには、演歌歌手を知ってもらうべきです。
ヒップホップのアーティストは、ヒップホップが好きなお客さまに知ってもらうべきですよね。

このように、対象にしたいリスナー層が異なれば、売り出したいアーティストの傾向も変わってきます。
さまざまな層のお客さまを対象にしたい場合、それぞれのお客さま層に合致したジャンルやタイプのアーティストを売り出す必要があります。
そのためには、さまざまなアーティストを1つのレーベルにまとめてしまうよりも、それぞれのお客さま層に合致したレーベルに分けて売り出す方がよいというわけです。

CDの販売だけでなく、たとえばレーベル主宰のライブイベントなどで複数のアーティストを集める際にも同じことが言えます。
似たようなジャンルのアーティストを集められる方が、お客さまからライブを楽しんでもらいやすいですよね。

【理由2】音楽性が似通ったアーティストを集めたいから

似たようなジャンルやタイプのアーティストを集められるのは、お客さまだけでなく「アーティストからの人気を得る」という意味でも重要です。
レーベルは、有望なアーティストを発掘して契約するという意味で、レコード会社における「アーティスト部門の採用担当」のような役割です。

所属アーティストのジャンルがバラバラだと、何のジャンルに強みをもったレーベルなのかが不明瞭になりますよね。
結果、声をかけられた側のアーティストは「なんで俺たちに声をかけてきたんだろう・・・?」と戸惑ってしまうかもしれません。

「自分たちは、このジャンルに強いレーベルですよ!」とアーティストに意思表示するためにも、レコード会社はレーベルを複数に分けておく必要があるのです。

【理由3】ビジネス上の管理がしやすいから

レーベルを分けることで、各レーベルの担当範囲や責任の範囲をより明確に定義でき、効率的な組織運営が可能になります。
一般的な会社でも「北陸支社」や「中国支社」のように、エリアによって支社が分かれていますよね。

レコード会社の場合は、エリアによる分類ではなく、ジャンルによって支社を分けているのだと考えるとわかりやすいでしょう。
レーベルがいくつか存在している方が、レコード会社にとっては組織を管理しやすいのですね。

レーベルや事務所と契約する際の注意点

この記事を読んでくださっているあなたは、もしかしたら音楽事務所やレーベルの関係者さんから「うちと契約しない?」と誘われているのかもしれません。
ここからは、私がインディーズレーベル兼音楽事務所と契約した際の体験をもとに、契約前に知っておくべき注意点をお伝えします。

【注意点1】活動が制限される可能性が高い

事務所やレーベルと契約する場合、その事務所やレーベルが関与する活動以外は制限されるケースが多いです。

私は、シンガーソングライターとしてレーベルと契約しました。
一方で、ジモティーで知り合ったメンバーと一緒にバンド活動もしていたんです。

バンドは完全に趣味で、演奏でお金を稼ぐということはなかったのですが、バンドでライブをする前には、事務所に許可を取る必要がありました。
NGを出されることはなかったんですが、毎回事務所に許可を取るのってけっこう大変だなぁ~と思ったのも事実です。
事務所やレーベルでの活動とは別で音楽活動をされている方は、この点に注意したほうがよいでしょう。

また、クラウドソーシングサービスやYouTubeなどでの活動も、事務所やレーベルの許可が必要な場合があります。
私は事務所での活動とは別に「ココナラ」というクラウドソーシングサービスで、作曲や声優の活動をしていました。
そのため、ココナラでご依頼をいただくたびに事務所に許可をとる必要があったんです。

事務所からの許可を取れない場合はその案件をお断りする必要がありますし、許可を取れたとしても、報酬は事務所と分配する必要がありました。
事務所経由で取った案件じゃないのに報酬は山分けなんだなぁ・・・と、少し残念に思ったのを覚えています。

このように、自力で活動の幅を広げていきたい場合には、レーベルや事務所との契約は足かせとなってしまう側面があるんです。

【注意点2】お金を「もらえる」どころか「払う」立場になるケースもある

レーベルや事務所と契約するってことは、プロやん!とテンションが上がりますよね。
でも「CDデビューをするためには、1年間、事務所やレーベルが主催するレッスンを受講しなければならない」などの条件が設けられているケースもけっこうあります。

レッスン費用は事務所やレーベルによってまちまちですが、私の所属していた事務所では、月4回のボイトレで2万円のレッスン費用がかかりました。
もちろんぼったくりというわけではなく、価格に見合ったしっかりとしたボイトレをしてもらえましたし、先生とは今でも交流があるので、非常に感謝しています。

ただ、アーティストとして契約したはずなのに、実質的には事務所にレッスン費用を支払う「お客さま」だった・・・という側面は否定できません。

事務所によっては、音楽事務所としての事業ではなく「音楽教室」としての事業がメインの収益源になっている場合もあります。
契約前に、デビューまでの条件をしっかり確認しておきましょう。
もしレッスンなどの費用がかかる場合には、自分の資金やレッスンの質などを考慮に入れ、契約を結ぶべきかどうかを慎重に判断することをオススメします。

【注意点3】売り出してもらえるとは限らない

これが最大の盲点かもしれません。
事務所やレーベルと契約しても、必ずしも売り出してもらえるとは限らないんです。

私が所属していた事務所でも、売れているアーティストさんはみんな、自らをプロモーションする方法を自分で考えていました。
売れているアーティストさんの中に「事務所に売り出してもらって、自分は歌を歌うだけでいいんだ~」という呑気なマインドを持った人は皆無でした。

自分で企画を考えたり、売り出し方やブランディングを考える。
今どんなコンテンツを出せば注目を集められるのか、どんなキャラクター設定にすれば人気が出るのかを考える。
で、その結果が出れば、事務所からバックアップしてもらいやすくなる。
つまるところ「音楽で収入を得ていくためには、マーケティングを学ぶ必要がある」ということなんだな、と思いました。

そして、自分自身でマーケティングを学び、実践していけるのであれば、必ずしも事務所やレーベルと契約する必要はないかもしれません。
もちろん、事務所やレーベルと契約することで得られる人脈だったり経験だったりは、個人で活動しているのと比べものにならないくらい豊富なものではあるんですが。

私は、事務所との契約を7か月ほどで終了し、個人での活動にシフトしました。
マーケティングを学ぶことで、ココナラでの収益を上げられるようになりましたし、声優としてのお仕事もいただくなど、活動の幅を広げることができたと考えています。
なので、音楽で収入を得たいという方は「とりあえず事務所やレーベルと契約すればなんとかなる!」と考えるのではなく、まずはココナラなどを通じて「音楽でお金をいただく」という経験を積んでみるのもよいかもしれません。
もちろんココナラだけでなく、他のサービスを使ってもよいです。
受注できるサービス提供方法については、別の記事で詳しく解説できたらなと思っています。
 

まとめ

今回は、レーベルの意味や、レコード会社・音楽事務所との違い、そして事務所やレーベルと契約する前に知っておいてほしい注意点などを解説しました。
それぞれカンタンにまとめます。

  • レーベル・・・レコード会社の部署のひとつで、アーティストを発掘・契約し、CDをつくるのが仕事
  • レコード会社・・・レーベルをもっており、CDの販売や宣伝をするのが仕事
  • 音楽事務所・・・アーティストを管理し、売り込み方を考えるのが仕事

▼事務所やレーベルと契約する前に知っておいてほしい注意点

  • 活動が制限される可能性が高い
  • お金を「もらえる」どころか「払う」立場になるケースもある
  • 売り出してもらえるとは限らない

あなたの音楽活動の参考になれば幸いです。
それでは、引き続き音楽活動を頑張っていきましょう!