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ヴィンテージ、ってよく聞きますよね。ビンテージ。ワインとかジーパンとか。
もちろん、ギターにも「ビンテージ」ってのが存在します。
お店等で目にされたことがあるかたはご存知でしょうが、とりあえず高価なんですよね。なんとなく「ビンテージ品は普通の中古とは違う」「価値が高い」っていう印象はあるんですが、なぜこうした違いが生まれるんでしょう。
ってかそもそもギターにとっての「ビンテージ」ってなに?
今回は、ビンテージの定義に始まり、価格が高くなる理由や、ちょっとお安くビンテージギターを入手するためのポイントについてご紹介します。
これを知ることで、なんとなく近寄り難かったビンテージギターに親近感が湧くかもしれません。一緒に、ビンテージの魅力をのぞいてみましょう。
ギターにおけるビンテージの定義って?
ビンテージってなんとなく「古いもの」っていうイメージはありますが、具体的に「何年製のものからがビンテージ」みたいに明確な定義はあるんでしょうか。
楽器屋さんやネットショップを見回してみますと、1970年代製のギターに「’70sビンテージ」という表示がされているのを目にしたりします。それよりも10年新しい80年代製のものには、ビンテージの表記はないようです。
こうして考えてみると、ギター界隈の人たちの共通認識として、だいたい50年前までに製造されたギターがビンテージと呼ばれるようになるようですね。
ビンテージギターはなんで高価格?
ビンテージとして売り出されているギターは、目ん玉が飛び出るくらいの高価格がついていたり、場合によっては「¥ASK」なんて怖い表記がされていたりします。数百万円単位は当たり前、下手すりゃウン千万円のものもあります。ウンチ万円ではありません。
一般に、製品というのは新しく発表されたものの方が機能面で充実し高価格がつくことが多いんですが、なぜビンテージギターってこんなに強気の値段設定なんでしょう。理由を3つ挙げます。
希少性が高い
まぁわかりやすいところで言えばこれですね。珍しいものの価値は高くなる。これは、人類誕生以来の摂理です。よく考えたら不思議ですけどね。
50年も前に作られたギターは、これまでの期間に故障して廃棄されたり災害等で亡失したり、この世からなくなってしまう機会が非常に多いです。
そんな艱難辛苦を乗り越えて現存している猛者たち。そのタフさと希少さから、彼らはビンテージとして大切に扱われているわけです。
希少な木材を使っている
もちろんただ珍しいだけでも価値は高くなるものですが、さすがにそれだけでウン千万はやりすぎやろ、と思いますよね。
大切なのは、「ギターは木でできている」という観点です。
良い酒は良い米から。同様に、良いギターには良質な木材が不可欠です。地球温暖化の影響もあってか、ギターの材料となる木は、年々良質なものが採れなくなってきています。なかには、国際的に輸出入が禁止になり、ギター作りに使えなくなってしまったものもあるんです。
古い時代に製造されたギターには、良質かつ希少な木材で作られたものがしばしばみられます。この木材の違いはもちろん、音の良し悪しに直結します。
ただのミーハー的なノリではなく、実用的な意味でも希少性が高いので、値段も上昇傾向にあるんですね。
経年変化で音が良くなっている
木材の話をしたところで、忘れてはならないのが「経年変化」です。
製造から長い時間が経つことで、木材の内部に残っていた水分が蒸発し、空洞が生まれます。めっちゃ小さいですけどね。
その空洞に音が共鳴することで、響きが太く豊かになるんです。イメージとしては、アコースティックギターのサウンドホールの極小版がギター内部のあちこちに空いているような感じです。集合体恐怖症のかたにはキツいかもしれません。
また、エレキギターの場合は、ピックアップの磁力が経年変化で弱まり、なんかそれが音色に影響したりもするみたいです。
ピックアップの磁力くらいなら現代でも調整できそうですが、木材の経年変化はやはり時間の流れがモノをいいます。そうした、「経過した時間」というお金で買えない要素によって音が良くなっているという点でも、ビンテージギターには価値があるんですね。
ほんまに価格分の価値があるんか?
ビンテージギターはただ単に珍しいだけでなく、音も良いから市場価値が高いということはわかりました。では、本当にそんな大金を払うだけの音の差があるのか考えてみましょう。
例えば、ビンテージのエレキギターの中でも特に高価な、1958~60年製のギブソンのレスポール。これがまさに、状態が良ければウン千万円を超える系のやつです。
これと同等の現行モデルは、まぁ25~30万円くらいのもんです。いや、これでも充分高いんですけど、ビンテージと比べると「あぁ、そんなもんか」って思ってしまいますよね。
ほんまにこれだけの価値の差があるんでしょうか。
まぁそもそも「音の良さ」っていう尺度自体が、主観的要素を多分に含むものなのでアレですけれども、ぶっちゃけ数千万数百万もの差があるとは考えられません。目隠しして音を聞かされたら、絶対に聴き分けられない自信があります。これは自信と言って良いのかな?笑
でも、ギター は弾き手の感情をダイレクトに表現することのできる楽器ですし、イマジネーションが刺激されると物凄いフレーズを繰り出せたりするのもまた事実です。
弾き手の感情との相乗効果によって極上の音やフレーズ を生み出してくれる相棒として考えると、ギタリストにとってはやっぱ数千万円の価値はあるんやろなぁと思います。
プレイヤーズコンディションを狙えば手が届く…!
ギターは一生続ける趣味になりそうやし、いっちょビンテージギターに手を出すか…(ゴクリ)とお考えのかたもおられるかもしれません。
ここまで「数千万数千万」と繰り返してきましたが、すべてのビンテージギターがべらぼうに高価というわけではないんです。
現行モデルより高価なのは間違い無いんですが、半年間もやしだけ食べて暮らせば手が届く…!という価格帯のものもあります。
チューニングの際に弦を巻き取るパーツである「ペグ」からボリュームやトーンの調整に使うツマミである「ポッド」に至るまで、すべてのパーツが発売当時のまま現代に生き残っているものは「フルオリジナル」と呼ばれています。当然、希少性が高くなり、人気と価格も高くなります。ちょっと手が出せません。
一方、細かいパーツにはこだわらず、歴々の所有者によって手の加えられたものを選ぶと、ボディーの製造年代は同じでも、値段を抑えることができます。これらは、「プレイヤーズコンディション」と呼ばれています。演奏者がいじくった状態ということですね。
値段が抑えられるだけでなく、実用に即して調整がされているため、演奏もしやすい(らしい)です。
まとめ
ここまで、ビンテージギターについてお話してきました。
簡単にまとめますと、
ビンテージギターとは、だいたい50年以上前に製造されたギター。
高価な理由は、希少性の高さ、使用されている木材の良質さ、経年変化による音の良さ。
聴き手よりも弾き手の感性に影響を与えるという点で、値段相応の価値があるっぽい。
フルオリジナルではなくプレイヤーズコンディションのものを選ぶと価格が抑えられる。
って感じでした。
ビンテージギターが少し身近に感じられましたら幸いです。
機会がありましたら、一度触れてみてください。傷をつけると即お買取〜ですので、取り扱いには細心の注意を払いつつ…笑
今回も、最後までお読みいただきましてありがとうございました!
引き続き、一緒にギターを愛していきましょう!