パワーコードの押さえ方とコツ・あの有名曲の弾き方を一挙に解説

ちょくちょく名前を聞くから、存在としては知ってる「パワーコード」。
なんかカンタンに押さえられるらしい・・・的なことはわかるけど、いったいどんなコードなんでしょう。

っていうか、普通のコードもあるのになんでわざわざパワーコードなんてものが存在するんでしょうか。

今回は、パワーコードの意味や使いどころ、他の記事ではあまり触れられてない「誰がパワーコードを生み出したのか」という音楽トリビア的な話も交えて、パワーコードについて解説します。

すべてのパワーコードの押さえ方を確認できる「パワーコード一覧表」も用意していますので、ぜひ参考にしていただけるとうれしいです!

パワーコードって何?

さて、まずは「パワーコードっていったい何なのか」というご説明からしたいと思います。

パワーコードってどんなコード?

パワーコードとは、「ルート」の音と「5度」の音だけで構成されたコードのこと。
5弦・6弦を使うパターンと4弦・5弦を使うパターンの2種類があります。

「ルート」は、根っこという意味。
つまり「コードの土台」ですね。

そして「5度」の音は、ざっくり言うと「ルートの音から5つ高い音」のこと。
ルートの音と組み合わさったときに、最も安定感を出してくれる音です。

よってパワーコードは「土台となるルートの音に、ルートより5つ高い音が乗っかった、めちゃくちゃシンプルで安定感のあるコード」というわけです。

たとえば「C」というコードは、通常「ド」「ミ」「ソ」で構成されています。
「ド」がルートで、「ソ」が5度。
よって、Cのパワーコードは「ド」と「ソ」だけで構成されるということになります。

パワーコードってどんなときに使うの?

パワーコードの使いどころは、ずばり「シンプルで力強いバッキング(伴奏)をしたいとき」です。

ずっしり安定した印象の音になるため、疾走感を出せます。
とくに、歪ませたエレキギターのサウンドとの相性はバツグンです。

反面、音の数が少なくなるため、アコギの弾き語りで使うケースはあまり多くありません。

なんでパワーコードっていうの?っていうかパワーコードの発明者って誰?

パワーコードって、なんでパワーコードなんでしょうね。
よくある説明は「力強い印象の音だから!」
それもたしかにそうなんですが、ここはひとつ、歴史を紐解いてみましょう。

パワーコードの生みの親、つまり、パワーコードを世界で初めて弾いた人って、いったい誰なんでしょうね。

諸説ありますが、少なくとも証拠としての音源が残っている中では、Link Wray(リンク・レイ)というギタリストが最有力候補です。

彼が1958年に発表した「Rumble(ランブル)」こそ、世界で初めてパワーコードで演奏された曲なんです。
この曲、発表当初は「少年犯罪を助長する!」という理由で放送禁止処分を受けちゃいます。

どんなに過激な曲なんでしょうね。ちょっと聴いてみましょうか。

はい、お聴きいただいてわかるように、歌詞がなく楽器の演奏だけ。
それなのに「少年犯罪を助長するから禁止!」と言われたのは、この曲の中でリンク・レイが演奏したギターの音が(当時としては)あまりにも暴力的だったから。
この曲を初めて聴いた人たちの受けた衝撃こそ、パワーコードの名前の由来だと言えるかもしれません。

ちなみにリンク・レイは、数々のロックミュージシャンに大きな影響を与えた人物でもあります。
たとえばジョン・レノンは、彼のことを「僕にとってのギターヒーローだ!」として崇拝していたんだとか。
オノ・ヨーコのインタビューか何かで、そんな話を聞きました。

昔のロックスターの話って、深掘りしていくと面白くて止まらなくなっちゃいます。
あなたもご興味があれば、ぜひぜひ深掘りしちゃってください。

この本なんかもたまらんです。面白い。

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さて、パワーコードについて詳しくなったところで、実際の弾き方・押さえ方を見ていきましょう。

パワーコードの弾き方

パワーコードは、人差し指と薬指(もしくは小指)で押さえます。
また、押さえていない弦はミュートして弾きます。

以下、詳しく解説しますね。

【押さえ方】パワーコード一覧表をつくりました

押さえ方は、こちらの表を参考にしてください。

>>パワーコード一覧表をPDFでダウンロードする

2本の弦を押さえるパターンと、3本の弦を押さえるパターンがありますね。

「あれ?パワーコードって2音だけでできてるコードじゃなかったっけ?」と思ったあなたは、鋭いです。

実は、3本の弦を押さえるパターンも、「ルート」と「5度の音」の2音しか鳴ってません。
というのも、小指で押さえる弦が、人差し指で押さえる弦の1オクターブ上の音になっているんです。

オクターブ違いなだけで、音の役割としては一緒なんですね。
3本の弦で弾いた方が、ルート音がよりはっきり聞こえるため、音に厚みが出ます。

【カッコよく弾くコツ】余分な弦をしっかり「ミュート」する

6弦ルートのパワーコードの場合、1弦から4弦は鳴らしません。
5弦ルートの場合は、1弦から3弦および6弦は鳴らしません。

ここで大切になるのが、余分な弦のミュートです。
人差し指や薬指をうまく使って、余分な弦が鳴らないようにしてあげるんです。

6弦ルートのパワーコードは、このようにミュートします。

5弦ルートのパワーコードは、このようにミュートします。

余分な弦をミュートした状態で全部の弦を振り抜くと、鳴らしたい弦の音と同時に、「ジャッ!」という気持ちいい音が鳴ります。
この「ジャッ!」はブラッシング音と呼ばれ、パワーコードの力強さを強調する非常に大切な要素なんです。

【よくある質問】2本の弦で弾くパワーコードの場合、薬指と小指はどっちを使う?

よく「パワーコードって、人差し指と薬指で押さえるのか、人差し指と小指で押さえるのかどっちがいい?」と質問をいただきます。
プロでも、薬指を使っている人もいれば、小指を使っている人もいて、けっこう迷いますよね。

私のオススメは、人差し指と薬指で押さえるフォームです。
なぜかというと、小指を自由に使えるため、フレーズの幅を広げられるからです。
あと、3本の弦で弾くパワーコードとの切り替えがしやすいというのもメリットですね。

パワーコードを使ってあの曲を弾いてみよう!

さて、パワーコードの押さえ方がわかったところで、さっそく曲を弾いてみましょう。
実は、パワーコードだけで弾けるカッコいいフレーズがあるんです。

テレビ番組「世界の果てまでイッテQ!」とか映画「ロッキー」を観たことがある人なら、聞いたことがあるかも。
そうでなくても、非常に有名な曲なので、知っている人も多いのではないでしょうか。

Survivorというバンドの「Eye Of The Tiger」という曲です。
(なかなかに時代を感じるPVではあります)

このイントロの「ジャッ!ジャッジャッジャ!ジャッジャッジャ!ジャッジャッジャ~~」は、パワーコードで弾けちゃいます。
超わかりやすい(ざっくりしすぎの)TAB譜と模範演奏を置いておくので、ぜひ練習してみてください。

コードの間に入れている「ドコドコドコドコ」という音は、ブリッジミュートというテクニックを使って出しています。

ブリッジミュートについては、こちらの記事で解説しています。

>>ブリッジミュートをラクにカッコよく弾きこなすコツ【動画と図で解説】

ブリッジミュートをラクにカッコよく弾きこなすコツ【動画と図で解説】

Eye of the Tiger のTAB譜です。

Eye of the Tiger のTAB譜です。

 

まとめ

今回は、パワーコードについて解説しました。
本記事を参考に、ぜひ使いこなせるようになってください。
また、古い洋楽を掘っていく楽しさが少しでも伝わったようでしたらうれしいです。
それでは引き続き、一緒にギターを愛していきましょう~!